エコ×集合住宅×コミュニティを目指した「コミュニティアパートメント」です。

コロンコーポ 外観写真

近年、断熱やパッシブデザイン※01といった、建物が消費するエネルギーを少なくする考え方を取り入れた、次世代型の戸建て住宅が増えてきました。しかし、建築コストが高いため、高性能な戸建て住宅はまだまだ少数派ですが、これからの時代において「限りある資源エネルギーをいかに効率よく快適に使うか」を考えた結果、「集合住宅こそ省エネルギー住宅にすべき」という答えが出てきました。ただ、従来のアパートメントには「仮住まい」というイメージを持たれる傾向があります。そこで、長く住みたくなるような住環境のアパートメントにしようと考えたのが、構想のはじまりでした。設計は、東北芸術工科大学・共創デザイン室に依頼し、エコアパートメントという観点から、住み心地を一番に考え設計していただきました。建物の機能以外にも、外壁は職人がコテ塗りをしたり、建具も特注で仕上げたりと、細部まで吟味しています。

また、COLON CORPOは新しいタイプのコミュニティスペースを目指し「コミュニティアパートメント」と位置づけ、様々な構想や計画をしています。設計段階で盛り込ませた要素として、まずはゲストルームがあります。建物全体は、賃貸ルーム、ゲストルーム、オーナー住居で構成されており、ゲストルームは、入居者のご家族や、ご友人が遊びに来られた時などにも利用可能なシステムにしました。次に、オーナー住居1階のスペースです。ショップやギャラリー、ワークショップスペースとして活用出来るような設計にしています。さらに、芝生の張られた前庭ではイベントなども催し、入居者や身内だけでなく、地域の方にも開かれたコミュニティアパートメントを目指し、場づくりも行っていく計画です。webサイトやFacebookを通じて活動内容やイベント情報、また、実際に住んでみてのレポートなども発信していきます。

用語解説

※01
パッシブデザイン……建物の構造や材料などの工夫により熱や空気の流れを制御し、快適な室内環境をつくりだす手法。

ここにキャッチ入ります。

建築家 竹内 昌義氏

撮影:川瀬一絵

COLON CORPOは、“建物が消費するエネルギー”を少なくするように考えられた建物です。「無理をせず、快適にくらしながらも、消費電力を抑える」ために、断熱や気密の性能を高くし、建物の燃費をよくすることは大変重要です。建物が消費するエネルギーを少なくするためには、断熱性能を示す“熱損失係数(Q値)※02”や、気密性能を示す“相当隙間係数(C値)※03”の値が低くなければいけません。COLON CORPOはQ値が0.88W/m²・K、C値が0.4㎠/m²と、次世代基準値※04を大きく上回り、Q値が1を切る日本初の集合住宅です。消費エネルギーを従来の3分の1程度に抑えながらも、快適な空間を実現しました。

コロンコーポ 木造説明画像

なぜ木造なのか

木造建築は、コンクリートや鉄を用いる建築に比べ、材料加工の過程や建造行程で排出される二酸化炭素量が少なくてすみます。また、木は二酸化炭素を固定化※05するという考え方があり、木材を多く使用した建物は建材としてもエコであると言えます。さらに、地元の木材を使うことで、山が活性化し森が豊かになり、林業が活発になります。日本の地方都市が豊かになるには、燃料や材料を地元から調達することがとても大切なのです。

コロンコーポ 断熱説明画像

断熱について

熱損失係数(Q値)は0.88W/m²・Kです。この数値を実現する為に“グラスウール”というガラスの繊維の断熱材を、外壁に100mm、柱の間に120mm、屋根は300mmと隙間無く詰めています。グラスウールはガラスをリサイクルして製造される断熱材で、石油系の発泡スチロールの断熱材と比べ、シロアリに食べられにくいという特徴があります。また、隣接の壁は火事に強い性能を持たせるためのプラスターボードが2枚貼りのうえ、グラスウールも50mm入っているので、防音性能も一般的なアパートより優れています。断熱層が厚いということは、熱の出入りがなくなるので、外気の気温差にも室温が左右されにくく、変化も極めて穏やかです。また、部屋の壁が冷たくない、あるいは暑くないので、体が楽に感じるはずです。

コロンコーポ 気密性説明画像

気密性について

相当隙間面積(C値)は、0.4㎠/m²という結果になりました。C値は、一定の圧力を加え外へ漏れだす空気の量を計るので、値が少ないほど気密性が高いと見なされます。この数値の意味するところは、すきま風がないこということ。そして、気密が高まることで、室内の暖かい湿った空気が壁の中に入り、結露を防ぐことにも繋がります。ですから、同じ断熱性能を持つ家と比べても、気密のいい家の方が温かいという結果になります。日本では、ヒートショックが原因でお風呂で倒れる人も多く、年間17,000人とも言われています。これは室内の気温差が原因とされていますが、高気密・高断熱で室内の温度差が少ない住居であれば、こうした体への負担も軽減されます。

コロンコーポ 消費電力・光熱費 説明画像

消費電力・光熱費について

真夏の冷房や、真冬の暖房にかかる電力が少なくなります。エアコンの位置も、一台で効率よく部屋を適温にできるように考えられており、5分~10分程度で室内温度を適温にすることが可能です。

  • ※気密性の高いCOLON CORPOでは、石油ファンヒーター・ストーブなど、空気を汚す器具は使用できません。
  • ※キッチンの調理台はIH、給湯器はガスです。
コロンコーポ 窓ガラスについて説明画像

窓ガラスについて

断熱の効果を上げるためには窓は重要なポイントです。COLON CORPOでは、一般的なアパートメントではほとんど導入されていない、アルミ複層障子樹脂複合枠を採用しています。単板ガラスに比べ、約2倍の断熱性能があり、冷暖房費を大幅に節約できます。また、窓周辺が外気の影響を受けにくくなるので、結露の発生を減らすことができます。強度も増すので防犯性にも優れています。

コロンコーポ 家賃 イメージ画像

家賃について

一般的なアパート(同等の面積で)で消費される光熱費の月平均が、おおよそ16,000円くらいと言われています。電気代や灯油代が騰がっているので、実際にはもっと多いかもしれません。暮らし方にもよりますが、COLON CORPOでの光熱費に置き換えると、一般的な住宅の約1/4~1/3程度の数値が期待できますので、月5,000円~6,000円くらいとして算出できます。一番燃料を使う真夏2ヶ月と真冬6ヶ月間を1万円安いとして考えても、1ヶ月約6,500円(8万円を12ヶ月で割って)は節約できます。つまり、73,000円のお部屋は実質66,500円で借りるのと同じということが言えます。何より、住み心地の良さはプライスレスです。

コロンコーポ設計士 竹内昌義氏 プロフィール写真

撮影:川瀬一絵

竹内 昌義

1962年生まれ、神奈川県出身。東京工業大学工学部建築学科卒、同大学院建築学専攻修士修了。東北芸術工科大学教授。ワークステーション一級建築士事務所を経て、1995年長野放送会館設計競技当選を機にみかんぐみ共同設立。2001年より東北芸術工科大学にて教鞭をとる。代表作にShibuya AX、愛・地球博トヨタグループ館、伊那東小学校、Y150はじまりの森、マルヤガーデンズリノベーション他。著作に「団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ」、「POST=OFFICE」、「別冊みかんぐみ1」、「別冊みかんぐみ2」、「脱ファスト風土化宣言」など。2009年に馬場、三浦らとともに著した「未来の住宅」がエコハウスのもとなっている。

用語解説

※02
相当隙間係数(C値)……外へ漏れだす空気の量の値で、値が小さいほど気密性が高いことを表します。外界と断熱で遮断された室内空間の全容積(小屋裏・吹抜け・基礎断熱時の床下を含む)をh=2.6mで割って導き出します。
※03
熱損失係数(Q値)……住宅の断熱性能を数値的に表したものです。室内外の温度差が1℃の時、家全体から1時間に床面積1m²あたりに逃げ出す熱量のことで、値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。外壁や天井・床などの各部位の熱の逃げる量(熱損失量)を計算し、各部位の熱損失量を合計したものを延床面積で割って計算します。
※04
次世代基準値……国土交通省により基準値(山形の地域区分はⅢ)が定められており、山形県のQ値は2.4W/m²・K、C値は5.0㎠/m²と示されています。
※05
二酸化炭素を固定化……空気中から取り込んだ二酸化炭素を炭素化合物として留めること。

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